令和の夏、初めて甲子園へ行く。
思い立ったが吉日。私は地元である富山の高岡商業対鹿児島の神村学園の試合を甲子園で初めて観戦した。ここに、その怒涛の1日の記録を記しておくことにする。
令和元年8月12日。三連休の最終日。第4試合。
大きめのタオル2枚(いずれもコンサートグッズ)、凍らせたお茶と凍らせてないアクエリアス、日焼け止め、サングラス、携帯用お尻に敷くやつ、帽子、一応ライブにも持って行くが全く使わない双眼鏡。完璧な用意で、いざ、出陣。
私は前日に予約した8時15分のサンダーバードに乗るべく、最寄り駅から金沢駅まで普通列車に乗った。
乗り換えはスムーズにできた。しかしサンダーバードに乗った直後、すでに遅れが発生とのアナウンス。福井駅にて、フロントガラスの調査、発車直後の急ブレーキによる一旦停止。異常な音を検知したとのこと。あれ?幸先悪くない?
遅れはしたが、なんとか大阪駅に到着。次の課題は阪神梅田駅にたどり着くこと。ここは思いのほかスムーズにいった。降りて改札出た場所が良かったのかも。ここまで来ると同じ目的の人がたくさんいるので、なんの問題もなく、甲子園駅にたどり着くことができた。
まず駅を出て見えるのが、阪神高速の高架。隙間から見える"阪神甲子園球場"の文字。もうすでに私のテンションは上げに上げです。ああ、ここがあの甲子園か…!と。
とりあえず人の波について行くとまた1つテンションの上がるものを発見!
入場券売り場…!ここも、よく見るやつ!
さぁ、ここまできたら、あとは当日券があるかないか…
私が今日甲子園に行くにあたって1番心配し、ブログやツイッターを読みまくって研究した、当日券の購入。すでにちょうどお昼の時間帯であったため、私がはなから狙っていたのは"再販"でした。
おねえさんの一生懸命なアナウンスを聴くと、どうやら一塁アルプス席と外野自由席のみすぐ購入可能とのこと。良かった〜!見ると、そこまで並んでもなさそうだし、本当にすぐ買えそうだった。高架下には何本も列ができていたけれど、あれは三塁側の再販待ちなのか、はたまた明日の内野自由席の購入列なのか…今でもそれは分からなかった。
外野席は日差しが地獄であることは履修済みだし、普通に考えてもわかる。今購入できるということは時間的に第3試合から観戦できる。2試合分、私は炎天下で耐えれるだろうか。そんな思いが一瞬頭をよぎったが、高岡商は今日は三塁側だった。三塁側はすでに売り切れ。私の足は迷わず外野席購入窓口へと向かっていた。
また1つ宝物の半券が増えちまったよ〜
なんてにやにやしながらとりあえず三塁側の外野席入り口を探すために歩いた。一塁アルプス席窓口の上部にある電光掲示板に"もうすぐ売り切れ"の文字が光っていた__。
無事当日券を購入できたはいいが、なにせ暑い!とりあえず近くのグッズショップに駆け込んだ。そこでよく見る出場校が書かれたタオルや甲子園プリントクッキー、うちわ、学校名が書かれたボールを購入。高校野球グッズがこれほどまでに種類豊富なのには驚いた。
負けた学校を塗り潰していけば最終的に今年の優勝校が分かりやすい、というタオル(ではない)
お土産を購入し、三塁側の外野入り口を発見。日焼け止めを塗り、ちょうど第2試合が終わるころということで、いよいよ甲子園の中に入る。
ちょうど第2試合を見終わり、帰る人の空けた席を見つけて座る。とりあえず席は確保できた。一息ついた時に見えた景色がこれ。
ああ、私、甲子園来たんだ…
ずっとテレビで観ていた景色が今目の前にある__。
何かひとつ夢でも叶った気分だった。
日差しは強いが、時折風が吹くと気持ち良い。
でもやっぱり日差しが強い。ここで2試合観戦できるか、このときはかなり心配だった。
とりあえずお腹が空いたので、甲子園名物?の焼きそばを買って食べた。
高校野球は1日に4(3)試合行わなければならないため、とてもスムーズに進む。試合と試合の間も待ち時間は少なかった。助かった。
程なくしてこの日の第3試合、八戸学院光星と智弁学園の試合が始まった。
内容は割愛するが、とても面白い試合だった。接戦になり、試合もある程度長引いた。体力的には、そろそろ日の当たらないところで休んだ方がいいかもしれないとずっと考えていた。家から持ってきた凍らせたお茶はちょうど無くなり、ちょっと恥ずかしかったが、にこにこおねえさんから凍らせたアクエリアスを購入した。ちょっと生き返った。
高商のシートノックが始まるころにはほぼ満席だった周囲はガラガラとまではいかないがだいぶ空いた。それに合わせて風もよく吹くようになり、日も傾き、だいぶ涼しくなった。このときにはもう、このまま見続ける体制になっていた。
さぁ、いよいよ今回の旅の目的、高商の試合が始まった!
先発荒井くんがストライクを取るたび、他の選手がヒットを打つたび、思わず大きな声が出る。
やっぱり、現地で生観戦はテンションも上がるし、最高だ。
終盤までおおかた高商優勢に進んでいた試合、9回の守り、結果を見た人は分かると思うが、簡単には勝たせてもらえなかった。気づけばずっと組んでいた手。アルプススタンドの女子高生状態だった。
そしてまた心配なことがひとつ。現在時刻18時30分。
帰らなあかん!サンダーバード間に合わん!
でもここまできて帰るわけにもいかんし…。
三塁側アルプスの応援も一段と熱が入る。
スタンドに涼しい風が吹く。
ついに、その時がやってきた。
ギリギリ、勝った…!!!!
甲子園に響く校歌。すぐ後ろに上る校旗。奥の山に生える西日。光がたかれたナイター。大きな大きな拍手…
エモい、エモすぎる。
余韻に浸りたい気持ちはあったが、明日は仕事だ。なんとしても帰らなければならない。
名残を惜しむ暇もなく、私は甲子園を後にした。
このあと阪神電車で思いのほか時間をくってしまったこともあって、もともと乗ろうと思っていたサンダーバードの一本後のものに滑り込み乗車。さすがにちょっとあせった。金沢駅と最寄り駅までの電車の乗り換えがうまくいかないため、北陸新幹線で高岡まで帰り、家に着いたのは日付が変わる前だった。
こうして、私の人生初甲子園弾丸旅は大成功のうちに幕を閉じたのだった。今年はおそらくもう行くことはないが、甲子園歴史館や周辺などは全く観てまわることができなかったので、また違う形でいつか訪れようと思う。この経験は、間違いなく私の人生で大きな財産となるだろう。それくらいに印象深い夏となった。ありがとう甲子園!